一般的にはあまり知られていないことですが、私たちの身体にとって有害な水銀やカドミウム・ヒ素・鉛・銅といった重金属類が日常の食生活を通して食品などから毎日体内に吸収されています。しかしこれらの重金属類は、通常、髪の毛や体毛・汗などを通して身体の外へ排泄されています。 従って身体にとって有害な物質を体外に排泄する器官である髪の毛が薄くなったり、無くなったりすると私たちの身体は健康からその人の寿命にまで大きな影響を受けていると言われています。 私たちの身体にとって有害な重金属類が、髪の毛を通して身体の外へ排泄されていることについて、環境問題と身体への影響の面から考えてみましょう。 毒性のある重金属(※注)というと、普通は、水銀、カドミウム、砒素、鉛、銅などがあげられます。金、銀、白金なども重金属ですが、希少なのであまり問題にはされていません。 環境問題を考えると、砒素やセレンなどの元素も問題ですが、科学的には金属に含まれません。 ところが逆に、生体にとって大切な必須元素をみてみると、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、鉄、塩素、亜鉛、ケイ素、銅、マンガン、バナジウム、モリブデン、セレン、ヨウ素、スズ、クロム、コバルトなどがあげられます。これらのうち、塩素、セレン、ヨウ素、ケイ素以外はすべて金属元素ですから、これらは私たちの身体にとって欠乏してはならない重金属でもあるのです。 水銀は人体にとって有毒作用しか持ちませんが、セレンや銅は極々微量ですが必要な元素の一つです。 しかし生体内で有益に役立てるためにはその量が多すぎてもいけないのです。つまり、これらセレンや銅も摂りすぎると、人体にとって猛毒となり有害物質となってしまいます。 このように、過剰な摂取は身体にとって毒になりますが、微量ではあるけれども最低限必要な量が欠乏すると、人体に悪影響を及ぼしてしまう重金属もあるのです。 重金属による環境汚染の公害病として忘れてはならないのが、昭和40年代に社会問題となった水俣病とイタイイタイ病です。 水俣病は、熊本県にあるチッソ水俣工場で生成されたメチル水銀化合物が、工場排水によって水俣湾に排出され、その海域一帯の魚貝類を汚染し、その魚貝類を食べた地域の住民が水俣病となったものです。有機水銀の中毒により、多くの方々に歩行障害や言語障害、躁うつ状態などの症状が出ました。また、新潟県阿賀野川流域でも水俣病(新潟水俣病)が発生し、熊本県のように、言語障害などの水銀中毒症状が出ています。 一方、イタイイタイ病は富山県神通川流域のカドミウム汚染が問題になったものです。三井金属鉱業神岡鉱業所からの、高濃度の重金属を含んだ廃さい、廃水の流出により、神通川水系の水田土壌、稲、野菜、河川魚類がカドミウムに汚染されてしまいました。カドミウムによって尿細管障害が起こり、カルシウムとリンの代謝異常から骨軟化症が発症し、自分で自分の体重を支えられなくなり、体中の骨が痛む病気です。 当時、水俣病患者やイタイイタイ病患者の毛髪から、それぞれ有機水銀とカドミウムが検出されていたことからも、髪の毛が重金属類を体外へ排泄し身体としての健康上のバランスを保つ重要な役割を果たしていたことが分かります。 重金属ではありませんが、かつて昭和30年頃から問題になった砒素が粉ミルクに混入した森永砒素ミルク事件では130人もの死者を出してしまいました。 砒素を成人が摂取すると、胃腸炎や神経系の麻痺が起こります。砒素ミルク事件では、中毒症状として幼児の胃腸や皮膚、肝臓、神経などに障害が起きています。 その他の重金属の中で、銅は欠乏症になると貧血や骨の変型、骨折を起こしやすくなりますが、過剰に摂ると悪心、嘔吐、腹痛、下痢、虚脱、弱脈、めまいなどの中毒症状が起こります。また、鉛による中毒は、うつ、不眠、神経質、精神錯乱などの精神症状を示し、痛風、筋肉痛、腹痛、便秘、高血圧、肝臓機能の低下、鉄欠乏性貧血、生殖能力の低下などの身体症状が起こります。 毛髪を分析することによって、その人の日常の食生活の状況はもちろん、有害な重金属類によって身体が汚染されているかいないかなどを知ることができます。 このようにして髪の毛は私たちの身体の中にとどめておいてはいけない有害物質を24時間毎日排泄し続けて身体としての健康上のバランスを保つ重要な働きを行っているのです。髪の毛が普通にあるかないか?ということは確かにそれ自体で観た目のカッコよい!とかカッコ悪い!ということもありますが、そういうことだけではなく、私たちが一生に一度の人生を毎日楽しく健康で長生きできるかできないか!ということにも実は大きく関わっているのです。 身体も心も明るく楽しい毎日を過ごすために一本一本の髪の毛を大切にしてください。 私たちの髪は、個人によって差はありますが1日当り約0.35o〜0.6o位伸びています。 また、髪の量は、少ない人でおよそ7万本〜8万本、多い人では12万本〜13万本、さらには14万本〜15万本と言われています。しかし平均すると約10万本と言われています。 そして髪からは水銀や砒素・アルミニウム・カドミウム・鉛などといった、身体にとって有害なほとんどの種類の重金属類や化学物質が排泄されています。 例えば、その人の髪の本数を仮に10万本とした場合、1本の髪が1日に伸びる長さを全部1本の髪としてつなげると、0.35o伸びる人は0.35o×100,000本=35,000o=35mとなります。つまり、わずか1日でなんと35mも伸びている事になり、これだけでもかなりの量の重金属類が髪を通して身体の外へ排泄されている事がわかります。 しかし、これが0.6o伸びる人であれば0.6o×100,000本=60,000oとなり、1日でなんと60mも伸びていることになるわけですから当然の事と言えば当然の事なのです。 これを1ヵ月に直すと約1.05Km〜約1.8Km、一年間では約12.6Km〜約21.6Kmにもなります。 従って髪を通して体外に排泄される重金属類や防腐剤や合成着色料といった化学物質の量も薄毛の人より髪が多い人の方が、より多く排泄されていることになります。 また仮に髪1本1本の中に重金属類の量が同じとしたならば、髪の伸びるスピードが遅い人よりも、早い人の方が、また同じ髪でも細い人よりも太い人の方がより多くの重金属類や化学物質を排泄している事になります。 しかも、髪が伸びる早さは、相対的に髪が細い人よりも太い人の方が早く伸びる傾向にあります。 従って、太毛でハリのある元気な髪を生えさせるということは身体にとって有害な重金属類や化学物質をより早く、しかもよりたくさん体外に排泄しているということにつながるのです。 このように、長い間髪を通して有害物質の排泄が「きちんと行われた」という事が積み重なり、結果としてその人の健康を増進し病気にもかかりにくく寿命を伸ばすということにつながっていると言われています。 髪はまさに「髪様」なのです。 通常1本の髪の毛の寿命は多少の個人差はありますが男性が3年〜5、6年、女性で4年〜6、7年と言われています。せっかく生えてきた髪の毛1本1本に対してきちんと本来の寿命を全うさせてあげてください。観た目はもちろんのことご自身の健康のためにも。